自分本位

 

よく人から見切りが早いと言われる。確かに自分は声をかけて食い付きがないとか相手が逃げたがっていると少しでも感じるとさっさと離脱しがち。

案件によっては話してくれなくても目や表情、距離感から判断して粘ることはあるが ケースとしては希だ。 連れ出してからも話していて未来がないなと感じるとさっさと強打診して破綻させるか健全早期解散を選ぶことも多い。コンビ時ですら相手の態度にむかついて 5 分で帰らせたこともある。


そもそもナンパにおいて逆転劇は邪道であって、狙ってできるのはごく一部の上級者だけ。まったく夢も希望もない話で恐縮だが、食い付きがあるか、貞操観念の低い、あるいは一時的に即系状態になっている案件をタイミングよく即ることこそ王道というのがナンパの一般論であり、その場合案件の質はほぼ自分以下になるのが不都合な現実である。

「格上の美女に挑戦してこそナンパ」とかキレイゴト言わないでくれ、あんたらのせいで街は夢見たナンパ師の死体が山積みですよ、、


たまに正規分布の右端にいるような格上案件を即ることもあるが、そもそも人間的に釣り合っていない場合がほとんどなので、キープや彼女化(この表現キモすぎないか?)できる可能性は低い。一回 SEX することと長期的関係を構築することでは求められる要素が全く違っていて、後者の為には人間としての総合力が問われる。街で無限徘徊してるだけでは身に付くことはあまりにも少ない。(俺は無限徘徊好きだけどね)

 

話が逸れたが、タイミングも重要だ。10 分後に就職面接を控えている JD を連れ出すことはまあ無理だし、いくら普段ド即の貞操観念が低い案件でも親の葬式中に即られるやつはいないだろう(歌舞伎あたりにはいるかもしれない)。

逆に彼氏に振られたばかりで人恋しい美女がラッキーで即れたりもする。男は打診することはできても最終的な決定権は女にあるから、相手に都合のいいタイミングでその気になって貰わないとナンパとしての結果は成立しない。


それでようやくここからが本題なのだが、ナンパをする上で問題なのは、SEX をする気が全くないのに声かけや連れ出しに応じる案件が一定数存在すること、或いは自分の力ではどうやっても即れない案件がいることだ。 限られた時間の制約の中で成功を目指すには、こやつらを如何に排除していくかが鍵といっても過言ではない。


「奢って」
「たばこ買って」
テキーラ飲みたい」


状況にも寄るが、こちらが提案もしていないのにこんなことを言ってくるような案件は、自分が凄腕かド M の変態でも無い限り即放流で問題ない。スト高だろうが若かろうが乳がデカかろうがやれない限りただのしゃべる有機物として扱う。 推し以外興味がない女、ちやほやされることで女としての価値を再認識したいアラサー、ただ酒飲みたいだけの女も一刀両断でいい。


現代日本の社会人(男)なんて抑圧されまくって、表面的体裁を取り繕うことばかり要求されているから、結果的に無難なだけの男ができあがる。本当は言いたいことや主張したいことがあったり、文句の一つでも相手にぶつけてやりたいのに、我慢して己の不満を上辺だけのやさしさと当たり障りのなさで誤魔化す日常。その延長線上でナンパしててもそら上手くいかんよ、全然おもんないもん。

せっかく身一つストリートで狂気のダンスを踊ってるんだから、その時ぐらいはもっとしがらみとか常識を捨てて自分本位になればいい。ナンパした相手に多少ぶっ込んで嫌われたところで日常生活に影響はないし、渾身のボケが滑り散らかそうが大した問題ではない。足長おじさんぶって良き理解者になったとて、そのエルゲもどうせ死ぬから「すけべしよーや、ええやんええやん」で負けた方が気分ははるかに爽快だ。

女と酒を飲むだけで満足できるならいいが、SEX が目的なのなら、筋書きのない混沌の中ゴールを見据えて主導権を握り、場をコントロールする。間違っても相手のペースに合わせてはいけない。主人公は自分でパーティーを始めるのもぶっ壊すのも自分次第だ。

振舞えもっと自由に。